たまにこのブログに出てくるカミさんとは一緒に飲むこともありますが、別々で飲みに行っていることも結構あります。飲むお酒の種類が違うので、伺うお店も微妙に違ったりするわけです。

 

今回このボトルを飲ませていただいたバーもカミさんが開拓したお店で、見たことのないイチローズモルトが置いてあるよという誘い文句を受けて行ってみることにしました。

 

カウンターの席に着いてバックバーを眺めていると、ウイスキーはスコッチのオールドボトルが多そうでしたが、一番高い棚に少ないながらも確かにあまり見かけないジャパニーズウイスキーのボトルが並んでいます。

 

マスターから「何になさいますか」と尋ねられ、「ジャパニーズで(指を指しながら)あの棚のあたりにある、珍しいボトルを飲みたいのですが…」と答えると、「じゃあ余市12年のシェリー&スイートでいかがですか?」との回答。

 

頭をフル回転させながら、イチローズモルトの方じゃないのね…あ、それって終売になってしまった蒸溜所限定販売のボトルだ。余市のノンエイジは飲んだけど12年は飲んでない…と思い至り「ぜひ! 飲ませてください」となった次第です。

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ニッカ シングルモルト余市 12年 シェリー&スイート

NIKKA WHISKY SINGLE MALT WHISKY YOICHI 12 years old SHERRY & SWEET

 

製造者:ニッカウヰスキー株式会社7

原材料:モルト、グレーン

仕様:500ml 55

希望小売価格:6,680

発売:不明 2014年後期頃販売終了、2015年に同じラインナップでノンエイジ発売

余市蒸溜所限定販売

 

飲んだ日2022:年314

タイミング:ボトル1/3くらい

 

香り:甘く華やかでフルーティーな香りが漂う、鼻を近づけるとさらにミルクチョコ、ピート感。加水するとねっとりとした酸味のある甘みが強まる。

味:濃厚な甘みから入り、ドライフルーツ、塩気、ピート感、ほろ苦さがじわじわとやってきてやや辛みを伴ったキックが押し寄せる。シェリー樽にありがちな刺々しさやえぐみは全くなく、心安らかに楽しむことができる。加水するときな粉飴のような甘みとキック感が際立つ。さらに時間が経つと旨みも感じられてくる。かなりの逸品。

 

いやあ、めちゃくちゃ美味かったです! 実は飲む前は、以前に宮城峡蒸溜所限定の12年モルティ&ソフトが思ったイメージと違っていた経験から、そんなに期待していなかったのです。ところが予想を覆す美味しさだったので、より強く感動したんだと思います。

 

ちなみに以前ノンエイジを飲んだ時のコメントは

香り:透明感のある甘み、杏、ほのかな塩気、加水するとピート感、塩気、スモーキーさが強まる。

味:まろやかなバニラから入りチョコレートのち刺激のある杏、煮詰めたリンゴ、ピート感、スモーキーさが混然一体となる。加水すると全体的にまろやかな入りになり出口は逆に刺激的。

 

と、こちらも好みの複雑性フルーティーだったのですが、熟成の威力を思い知らされました。2012年に余市蒸溜所に行ったのですが、このボトルはお土産売り場に山のように並んでいたのですが、買わなかったことを今さら悔やんでいます…。

 

あらためてこのシリーズの説明をしますと、ニッカ余市蒸溜所限定販売でシングルモルト余市の中で樽や麦芽の系統で個性を際立たせたシリーズで12年熟成もので3種類存在していました。今回の「シェリー&スイート」以外に「ウッディ&バニラ」、「ピーティ&ソルティ」があります。

 

しかしながら、例の原酒不足問題が起き2014年で終売。その翌年ノンエイジになって再度発売。こちらも入手が難しい時期もあったようですが、最近はどうなのでしょうか。って、コロナ禍で蒸溜所見学自体ができなかったか…。

 

今、気になってニッカのホームページを見たところ5/14から蒸溜所見学が再開されたようですね。またいつか行きたいものです。