ジャパニーズウイスキー探求日記

ジャパニーズウイスキーにいつしか魅せられて、どんどん新しいウイスキーを飲みたくなり、知りたくなってしまいました。ここでは飲んだウイスキー、読んだ本、行った蒸溜所の記録などを気ままに綴っていきたいと思います。

2019年11月

釧路のシープラスマーケットでの4杯目です。前回書きましたように、いつカミさんからストップが出るか分からない状況なので、次は分かりやすく終売になっているものに手をつけようということで響12年です。響は今まで飲んだことが無いわけではありませんが、シングルモルト中心で飲んでいたので、真正面から向き合って飲んだことはありませんでした。しかし、非常に飲み口のいいウイスキーだという印象は残っていました。今回、記事を投稿するにあたってあらためて調べてみますと、12年は意外と発売されたのが最近で2009年でした。「響」をグローバルブランドとして育成するべく「響12年」を欧州で同年の春から先行販売していたようです。『世界の名酒事典2012年版』には「チーフブレンダー輿水精一氏が2009年に考案した新しいブレンデッドで欧州で先行発売され話題となった。梅酒樽後熟原酒やポットスチルによるグレーン原酒など、多彩な原酒を贅沢に使った逸品。フルーティーでスイートなアロマが香り立つ」と記されています。さらにボトル裏のラベルには30年超貯蔵の貴重な原酒を隠し味にしているとも記されています。そのようなウイスキーですからもちろん輝かしい受賞歴があり、2010年、2013年、2015年インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ金賞受賞。2010年サンフランシスコ ワールド スピリッツ コンペティション2012年、2014年 最優秀金賞受賞の実績があります。

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サントリー 響12

HIBIKI 12 Years Old SUNTORYWHISKY

 

製造者:サントリースピリッツ株式会社A

原材料:モルト、グレーン

仕様:700ml 43

価格:5,000円(税抜)

発売:2009915

20159月で終売。

 

飲んだ日:2019118

タイミング:ボトル半分くらい

 

香り:バナナ、バニラ、蜂蜜、ミネラル感、ほんのり酸味、とても上品、時間が経つとメロン。

味:バナナ、バニラ、蜂蜜の艶やかさ、気持ちピート感、気持ち木の樽、後味にやや辛み。

 

アルコール度数の高い、かつピーティーなものを先に飲んでいるのにも関わらず、おだやかで柔らかなフルーティーさが香り、味わいともにすぐに分かりました。自分は鼻が弱いので、こういった飲み方をするとだんだん分からなくなってきてしまうのですが、鼻を近づけるまでもなく、香りがすぐにわかりました。そしてすごいなと思ったのが、この高いレベルのウイスキーの定価が5,000円だったことです。本当はもっと高く販売したいところなのかもしれませんが、響17年より若い熟成年数を出すということは一歩間違うとブランドを毀損してしまう恐れもあるのですが、そんなことはまったくなく、王者の風格を漂わせているのはブレンデッドウイスキーの奥深さなんでしょうね。響ももう少し深掘ってみたい銘柄のうちの1つとなりました。
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釧路のシープラスマーケットでの3杯目(といっても全てハーフでしたが…)です。バックバーにはジャパニーズウイスキーが結構充実していまして、どれから飲むか正直迷いました。カミさんが隣にいるので、いつ帰るというか分からないこともあるので、普段バーでは飲め無さそうなものから飲もうと思い、このブログでは初登場の若鶴酒造の「ムーングロウ」に手を出してみました。「ムーングロウ」は以前にウイスキーフェスティバルでクレセント2018年を飲んだことがあり、とても優しく飲みやすいいい印象が残っていました。昭和35年蒸溜モルトを使用したという説明も受けてすごいなと思った記憶が残っています。今回いただいたものは2019なので、構成原酒が違うようで公式ホームページには「20年以上年月を重ねた三郎丸蒸留所モルトをキーモルトに、熟成年数が10年以上の原酒のみを吟味しました。赤ワイン樽でフィニッシュした芳醇なグレーンと、甘みを引き出すシェリー樽モルトが絶妙に溶け合い、優しく滑らかな味わいへと導きました。長い年月が生み出す重層的な味わいと複雑な余韻が、調和を奏でながら永く続きます」としるされています。

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若鶴酒造 ムーングロウ リミテッドエディション2019

Wakatsuru shuzo MOON GLOW BlendedWhisky AGED 10 YEARS Limited Edition 2019

 

製造者:若鶴酒造株式会社

原材料:モルト、グレーン

仕様:700ml 43

価格:9,200円(税抜)

発売:2019626

8,142本限定生産、ラベル表面に熟成10年表記が英文であるが、ラベル裏面や公式ホームページにはなぜか記載されていない。

 

飲んだ日:2019118

タイミング:ボトル半分より少し下

 

香り:バニラ、ミント、塩気、気持ちスモーキー、甘さと爽やかさのバランスが絶妙。

味:バニラ、香草系ハーブ、ピート感、気持ちキウイ、パイナップルバランスのいい佳酒。

 

自分の未熟な舌には、赤ワイン樽やシェリー樽モルト感はよく分からなかったのですが、やはり優しくて丁寧にブレンドされた味わいのように思われました。このムーングロウはWWA2018年、2019年と2年連続で「ジャパニーズ ブレンデッド ≪リミテッドリリース≫」の12年以下の部でベストウイスキー賞に輝いたとのことです。今後新しいポットスチルを導入した三郎丸蒸溜所から生まれるウイスキーはさらに磨きがかかると思うので、楽しみです。富山にはいずれどこかで時間を作って訪れてみたいです。

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厚岸蒸溜所に行った関係から厚岸ウイスキーのことを連続で記していましたが、facebookの堅展実情株式会社 厚岸蒸溜所アカウントで来年発売の熟成3年以上の初のシングルモルトウイスキー情報が出ていたようです。


その名も「サロルンカムイ」。
意味はアイヌ語でタンチョウのことで、タンチョウは「湿地にいる神」なんだそうです。
ネーミングからして期待を持たせてくれます。
来年2月27日発売でやはり200mlの瓶に入り、数量限定発売になるそうです。

以下、公式アカウントからの引用です。

厚岸ウイスキーサロルンカムイは、厚岸蒸溜所初のシングルモルトウイスキー(熟成期間3年超)となります。
配合された原酒は全て操業初年度である2016年製のもので、熟成樽はバーボン樽、シェリー樽、赤ワイン樽そして、ミズナラ樽となります。

2016年11月から始まったひがし北海道の厚岸におけるウイスキー造り。
厚岸の環境が私たちのウイスキーにとって最適な地であること。
そして、2016年の初仕込・初蒸溜された原酒が、ウイスキーとして成長したことを感じて戴けるように仕上げました。

商品概要:
 商品名 厚岸ウイスキー サロルンカムイ
 容量 200ml
 希望小売価格(税別) 5,000円
 アルコール度数 55%
 発売期日 2020年2月27日(木)
 発売地域 全国(数量限定)
https://www.facebook.com/akkeshi.distillery/

お値段は決してお安くないですが、今から楽しみです。

さて、次は謎のボトルの登場です。厚岸ウイスキーといえばすべて200mlで、市販されているものは4種類のみ、蒸溜所限定ボトルなどは無いと思っていました。ですので前回のファウンデーション4を飲んだ後は、何か珍しいジャパニーズウイスキーが無いかなくらいの気持ちでバックバーを眺めていると、見かけたことのないボトルが2本…。マスターにそのボトルは何かと尋ねてみると厚岸ニューボーンファウンデーションズの12で、200ml瓶ではなく、タンクからまとめ買いしたものだとのことでした。なあんだと少し気落ちしましたが、その話には続きがありまして、2の方はなぜかアルコール度数が3度低いとのこと。その場には厚岸蒸溜所の方もいらしていましたが理由はよく分かっていないらしく、白鶴酒造で瓶づめをしてあまったウイスキーを戻してもらったら度数が下がっていたとのことでした。可能性の1つとして、チルフィルタリングで冷却した時に水分が混入したのかもしれないけど、はっきりとは分からないとのことでした。そんなミステリアスなボトルには新たな名前もありました。

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堅展実業 厚岸 ニューボーンファウンデーションズ2 ブレンダーズリザーブ

THE AKKESHI NEW BORN FOUNDATIONS 2BLENDER’S RESERVE

 

製造者:堅展実業株式会社 厚岸蒸溜所

原材料:モルト

仕様:700ml 55

価格:不明

発売:不明

 

飲んだ日:2019118

タイミング:ボトル2/3くらい

 

香り:塩気、ピート、枯れ葉、厚岸の風土を感じる。

味:爽やかな甘み、グレープフルーツ的フルーツ感、塩気、とてもまろやかで通常市販品のファウンデーションズ2より厚みを感じる。

 

サービスで本来のファウンデーションズ2をグラスに注いでいただいて垂直のみをしたので、酔っぱらっていたとしても、味に明確な違いを感じました。たったアルコール度数3度ですが、その度数の問題か、加水された水の問題か、大きなボトルで保管されていたからか何らかの理由で別物のウイスキーになったくらいに感じました。家であらためて購入していたファウンデーションズ2に加水をして飲みましたが、あきらかに味わいが違っているのも興味深い結果でした。いずれにしろ、このファウンデーションズ2は美味しいウイスキーだということは間違いありません。違いに興味がある方はぜひ釧路のバー シープラスマーケットまでお出かけください。
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厚岸蒸溜所に行った折に、釧路のバーと厚岸のホテル五味でいろいろと飲んできましたので、しばらくの間、それらの飲んだウイスキーについて記していきたいと思います。そこそこ飲んでいるので、テイスティングコメントの信ぴょう性は低いと思った方がいいです(笑)

釧路のシープラスマーケットに着いて最初に頼んだのは厚岸ニューボーンファウンデーションズ4。第3弾の発売からまたまた半年後、今度はブレンデッドで発売されました。勤務先の近くの酒屋で数本並んでいるのを見ましたが、あっという間に無くなってしまっていたので、これ幸いと飲んでみました。

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堅展実業 厚岸 ニューボーンファウンデーションズ4

THE AKKESHI Malt and Brain Spirit FOUNDATIONS 4


製造者:堅展実業株式会社

原材料:モルト、グレーン

仕様:200ml 48

価格:3,800円(税別)

発売:2019829

厚岸蒸溜所第4弾『厚岸NEWBORN FOUNDATIONS 4』として発売。シェリー樽などで1330か月熟成したモルト&グレーンのブレンデッド7月ボトリング。

 

飲んだ日:2019118

タイミング:ボトル半分くらい

 

香り:塩気、土、風、甘やかなアルコール感、翌日コンキリエで飲んだ時はリンゴ感。

味:爽やかで透明感ある甘み、仄かな酸味、ピート感、グレーンのアルコール感の刺々しさは感じられずまろやか。翌日コンキリエで飲んだ時はこれに青リンゴ的酸味をプラス。

 

厚岸ニューボーンファウンデーションズ4は初のブレンデッドウイスキーとなりましたが、グレーンはスコットランド産のニューメイクを厚岸蒸溜所にて樽詰し、厚岸の環境下で熟成された原酒のみを使用。モルトは使用した50%以上にシェリー樽熟成原酒を使い、同様にモルト中の5%以上の原料には北海道産の大麦麦芽(りょうふう)を使用したというこだわりの一品。ニューボーンにもかかわらずとてもまろやかだったのが印象的でした。しかし、このテイスティングコメントは公式のものとはあまり整合性もなく、翌日飲んだ印象も違っていたのでずいぶんと適当だなと思い知った次第です。読んでいただいた方々には申し訳ありません(汗)すでに酔っぱらっていたのでしょうか…。しかし前回にも書いたとおり、丁寧につくりましたと言わんばかりの風味は間違いないと思います。楽しめると思います。

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